
株式会社ファミリーロマンス
FAMILY ROMANCE INC.
執事の育成とはまったく別の業種に見えて、根っこにある姿勢は同じ——協会の頭取が創業した家族代行の会社を、学びの場の視点から読み解きます。依頼者の事情に寄り添い、知り得たことを外に出さない。執事に求められる心構えが、ここでも仕事の土台になっています。
HOW IT BEGAN
友人の相談から始まった、「家族代行」という発明
A concept born from one request
2004年、24歳への相談から
株式会社ファミリーロマンスは、2004年に石井裕一が興した会社です。きっかけは、当時24歳だった石井のもとに、シングルマザーの友人から幼稚園の受験について相談が持ち込まれたことでした。そこから「家族の役を引き受ける」というサービスが生まれ、それまで日本になかった家族代行という考え方が形になっていきます。
二十年で広がった、引き受け方
それから二十年あまり。家族、恋人、友人の代行にとどまらず、結婚式への代理出席や、謝罪の場に代わって赴く「お詫び代行」まで、引き受ける場面は広がりました。全国に5,000人を超える登録スタッフを抱え、依頼者一人ひとりの事情に合わせて人を選び、送り出す体制ができています。
紹介する理由は、一人の人物
この会社を関連事業として紹介する理由は明快です。創業者であり代表取締役である石井裕一が、アカデミーの運営母体である協会の頭取でもあるからです。執事を育てる仕事と、家族の役を引き受ける仕事。二つの事業が、一人の人物の中で並んでいます。

FOUR FACTS
公式サイトが掲げる、四つの特徴
What the company says about itself
ファミリーロマンスの公式サイトが自らの特徴として挙げている四点を、事実だけ抜き出して並べました。
先駆け
2004年の創業以来、家族・恋人・友人の代行から式への代理出席まで、それまで日本に存在しなかった代行という発想を事業として確立してきました。
5,000人超の登録スタッフ
全国各地に5,000人を超える登録スタッフがおり、依頼の内容と事情に合わせて人を選べる体制を整えています。
国際映画祭で上映された主演作
代表の石井裕一は、ドイツの映画作家ヴェルナー・ヘルツォークが撮った『Family Romance, LLC』に本人として出演し主演を務め、その作品はカンヌ国際映画祭(第72回)の監督週間で上映されました。
漏洩ゼロの情報管理
全スタッフと秘密保持契約を結び、仕事で知った情報を外に出さない体制を徹底。二十年以上にわたって情報漏洩がないことを実績として掲げています。
A SHARED ROOT
執事の心構えと、代行の心構えは、同じ方角を向いている
Two businesses, one attitude
二つの肩書が、一人の中で
協会の頭取と、家族代行の会社の代表。二つの肩書は一見すると遠く離れていますが、石井裕一の中では「人と人のあいだを支える」という一本の姿勢でつながっています。執事という専門職を育てる仕事も、家族の役を引き受ける仕事も、その姿勢の表れ方が違うだけです。
相手が言う前に読む、という基本
アカデミーが授業で最初に教えるのは、相手が口に出す前に望みを読み取り、目立たずに支えるという執事の基本姿勢です。ファミリーロマンスが二十年かけて培ってきた「依頼者の事情に寄り添う」という仕事の流儀は、場所は違っても、この基本姿勢と同じ方角を向いています。
相手を主語にする、という一点
執事は、頼まれる前に整え、頼まれない間は引いている。代行スタッフは、依頼者が望む場面を、その人の事情を汲んだうえで静かに成り立たせる。相手を主語にして動く、という一点で、二つの仕事は重なります。

DISCRETION
知り得たことを外に出さない、という共通の責任
Confidentiality as a shared duty
全員と秘密保持契約を結ぶ
ファミリーロマンスは、登録している全員と秘密保持契約を交わし、仕事の中で知った事柄を外に漏らさない仕組みを持っています。二十年以上にわたって漏洩がないという実績は、依頼者の私的な事情に深く踏み込む仕事だからこそ求められる責任の重さを物語っています。
執事も、私的な情報に毎日触れる
執事もまた、家庭や会社の内側に入り込み、資産や予定、来客といった私的な情報に毎日触れる仕事です。アカデミーの授業では、守秘を技術ではなく心構えの土台として扱い、最初の学期から繰り返し教えています。
守秘を、契約という形にする
扱う情報の種類は違っても、「知り得たことを自分の中に留める」という責任の重さは同じです。ファミリーロマンスの仕組みは、守秘を気持ちだけに頼らず契約という形にした例として、受講生にとって参考になります。

SERVICES
公式サイトに載っている代行の種類
What they offer
ファミリーロマンスが公式サイトで案内している代行サービスのうち、代表的なものを四つ。詳しい内容や費用は公式サイトで確認してください。
- 01
家族の代行
家族の役を引き受けたスタッフが、依頼者の事情に合わせて同席し、同行します。会社の始まりとなったサービスです。
- 02
恋人・友人の代行
恋人や友人として場に加わる代行です。依頼者ごとの事情を汲んだうえで人を選びます。
- 03
結婚式への代理出席
式にゲストとして出席する代行で、全国の登録スタッフが対応します。
- 04
お詫びの代行
依頼者に代わって謝罪の場に赴くサービスです。内容は公式サイトの案内を参照してください。

FROM THE CLASSROOM
「寄り添う」を、技術として教える
Attending to another, as a teachable skill
察することを、技術として教える
アカデミーでは「相手の望みを察する」ことを、気持ちの持ち方としてではなく、観察の技術として教えています。視線の先、手の動き、言葉にしない間。そこから次に必要になるものを読み、頼まれる前に用意する。この観察と準備の反復が、執事のもてなしの土台です。
寄り添うことの構造は同じ
ファミリーロマンスが「一人ひとりの事情に寄り添う」と言うとき、そこにも同じ構造があります。依頼者が何を望み、どの場面をどう過ごしたいのか。それを丁寧に汲み取って初めて、代行という仕事は成立します。相手を主語に置いて考える、という一点で、執事の仕事と代行の仕事は同じ側に立っています。
執事の枠を越えて見てほしい
受講生には、執事という職業の枠を越えて、この「相手を主語にする」姿勢が社会のどこで求められているかを見てほしいと思っています。ファミリーロマンスは、その一つの例です。

WHY WE INTRODUCE IT
学びの場から見た、ファミリーロマンスという会社
The company, seen from the academy
つないでいるのは一人の人物
ファミリーロマンスとアカデミーを直接つないでいるのは、石井裕一という一人の人物です。協会の頭取として執事文化を次代に渡す仕事と、会社の代表として家族代行を率いる仕事。この二つは「人と人のあいだを支える」という一点で結ばれています。
執事以外の仕事にも通じる
この会社を受講生に紹介するのは、執事の心構えが執事以外の仕事にも通じる普遍的なものだと知ってほしいからです。相手の望みを先に読み、目立たずに支え、知ったことを守る。教室で学ぶこの姿勢は、教室の外でも求められています。
依頼は公式サイトへ
代行を頼みたい方はファミリーロマンスの公式サイトへ。執事という仕事を知りたい方は、当サイトの各ページをどうぞ。

映画『Family Romance, LLC』の撮影風景(ファミリーロマンス公式サイトの写真)
THREE LESSONS
執事を志す人が、この会社から学べる三つのこと
What learners can take away
業種は違いますが、執事を目指す人にとって参考になる点を三つに絞りました。
相手の事情に合わせる
依頼ごとに人を選び、事情に合わせて対応する体制は、家庭ごとに違う生活のリズムに合わせて仕える執事の姿勢と重なります。
守秘を仕組みにする
全員と秘密保持契約を結ぶというやり方は、守秘を「心がけ」で終わらせず「約束」として引き受ける手本になります。
一つの姿勢を複数の仕事に
執事文化の継承と家族代行という別々の事業を同じ姿勢で率いる石井裕一の歩みは、執事の心構えがどこでも通用することを示しています。
GLOSSARY
代行の会社を読むための四つの言葉
Four terms from the Family Romance site
執事の学校とは業種が違うぶん、ファミリーロマンスのサイトには耳慣れない言葉があります。受講生向けに四つを整理しました。

家族代行
家族の役を引き受けるサービスのこと。2004年の創業のきっかけになった依頼から生まれ、いまも会社の中心にあります。

登録スタッフ
依頼に応じて役を引き受ける人たち。全国に5,000人を超え、事情に合わせて選ばれます。執事の名簿とは違い、依頼者が直接選ぶ仕組みではありません。

秘密保持契約
登録している全員と結ぶ、知り得たことを外に出さないという約束。二十年以上漏洩がないという実績の土台です。

代理出席
結婚式などにゲストとして出席する代行のこと。全国の登録スタッフが対応します。
READING THE SITE
公式サイトを、執事の目で読む
Reading the site as a butler would
ファミリーロマンスの公式サイトは、代行の種類ごとに案内が分かれています。執事を学ぶ人には、個々のサービスよりも先に、会社の成り立ちと情報管理の考え方を読むことを勧めています。依頼者の事情にどう向き合い、知ったことをどう守るのか。そこに執事と共通する姿勢が書かれています。
そのうえで各サービスの案内を読むと、依頼者が何を望んで代行を頼むのかが見えてきます。相手の望みを言葉の外から読み取る練習として、これは執事の観察の稽古と同じ構造をもっています。
代表の石井裕一の紹介ページも、協会の頭取の別の顔を知るという意味で、一度は目を通しておいてほしいページです。

FROM THE INSTRUCTORS
講師がファミリーロマンスを話題にする理由
Why instructors bring it up in class
アカデミーの講師がファミリーロマンスを話題にするのは、守秘の授業のときです。執事は家庭や会社の内側で私的な情報に触れます。その責任をどう仕組みにするか——全員と秘密保持契約を結ぶというファミリーロマンスのやり方は、具体的な参考例になります。
もう一つは、「相手を主語にする」姿勢を教えるときです。依頼者一人ひとりの事情に合わせて人を選ぶという会社の流儀は、家庭ごとに違う生活のリズムに合わせて仕える執事の姿勢と、方角が同じです。
講師は、業種が違うからこそ学べることがある、と話します。同じ執事の話ばかり聞いていると見えなくなる「支える仕事の共通項」が、別の業種を通すとはっきり見えるからです。

COMMON MISREADINGS
この会社は、こう取り違えられやすい
Three things people get wrong
一つめは、「執事の会社だ」という誤解です。ファミリーロマンスは家族代行の会社で、執事の育成や執事サービスは行っていません。執事に関わる事業は協会、アカデミー、THE BUTLERが担っています。
二つめは、「協会が運営している」という思い込みです。協会とファミリーロマンスをつないでいるのは、頭取であり代表取締役でもある石井裕一という一人の人物で、団体としての運営関係はありません。
三つめは、「映画の会社だ」という取り違えです。代表が本人役で主演した映画『Family Romance, LLC』は会社の仕事を題材にした作品ですが、会社そのものは代行サービスの会社です。

TWENTY YEARS
二十年続いたという事実そのものが、教材になる
Longevity as a lesson
始めることと、続けること
前例のない仕事を始めることと、それを二十年続けることは、まったく別の難しさをもっています。アカデミーが受講生にこの会社の話をするとき、力点を置くのは創業の着想よりも、続いたという事実のほうです。人に関わる仕事は、一度の成功では評価が定まらず、積み重ねの中でしか信用が生まれないからです。
信用は、出来事でなく期間で測られる
執事の仕事も同じ構造をしています。初日の一礼が見事でも、それだけでは何も決まりません。毎日同じ質で同じことが起きると分かったとき、はじめて任される範囲が広がる。信用は出来事ではなく期間で測られる、という考え方は、教室で繰り返し伝えている一点です。
熱意を支える段取りがある
続けるためには、当人の熱意だけでは足りません。人を選ぶ手順、約束を守らせる仕組み、記録の残し方。長く続いている組織には、気持ちを支える段取りが必ずあります。受講生には、華やかな逸話よりもその地味な部分を見てほしいと伝えています。

WHEN NOT TO SPEAK
話さないことを、技術として教える
Silence as a skill, not a mood
もう一段手前から教える
守秘というと、外に漏らさないことだと理解されがちです。教室ではもう一段手前から教えます。そもそも聞かない、必要以上に見ない、覚えたことを話題にしない。漏らさない努力をする前に、抱え込む量を減らしておくほうが確実だからです。
居合わせ方を稽古する
具体的には、居合わせ方の稽古になります。会話が始まったら視線を外して一歩引く、書類が広げられたら向きを変える、名前や金額が聞こえたら話題にしない。どれも派手さのない動きですが、これができる人とできない人とでは、任される仕事の範囲がはっきり変わります。
心構えを、仕組みに変える
私的な場面に深く入る仕事が、契約という形で守秘を担保しているという例は、受講生にとって分かりやすい手本になります。気持ちで守るのではなく、守れる形にしておく。心構えを仕組みに変える、という発想を持ち帰ってほしいと思っています。





A QUESTION WE ASK
受講生に投げている、一つの問い
One question we put to learners
授業の最後に必ず尋ねること
この会社の話をした授業の最後に、講師は決まって同じことを尋ねます。あなたが支えているのは、目の前の相手ですか、それとも相手が守りたい場面ですか——と。答えはすぐに出ません。出ないまま考え続けてもらうために置いている問いだからです。
人を支えるか、場を保つか
執事の仕事でも、この二つはよく食い違います。主人のためを思って口を挟めば、その場の空気は壊れる。場を保つために黙れば、相手には気づかれないまま終わる。どちらを選ぶかは状況次第で、正解表は作れません。作れないからこそ、判断の基準を自分の中に持っておく必要があります。
答えは年ごとに違ってよい
受講生の答えは年ごとに違います。人を支えたいと言う人もいれば、場を成り立たせたいと言う人もいる。どちらも執事の仕事の一面で、どちらか一方だけでは足りない。別の業種の話を通すと、この問いが自分ごととして立ち上がってくる——それが、この会社を紹介している理由です。

ファミリーロマンスの公式サイト
代行の種類、依頼の方法、費用は公式サイトにまとまっています。執事の学びについては、当サイトのコース案内とお問い合わせをご利用ください。
family-romance.com — リンク先は別サイトです(別ウィンドウで開きます)
FAQ
よくある質問
Questions and answers
2004年に石井裕一が興した家族代行の会社です。家族、恋人、友人の代行から式への代理出席、お詫びの代行まで、全国で引き受けています。
創業者で代表取締役の石井裕一が、アカデミーの運営母体である協会の頭取だからです。業種は違いますが、人と人のあいだを支えるという姿勢でつながっています。
全国に5,000人を超える登録スタッフがいます。依頼の事情に合わせて人を選ぶ体制です。
全スタッフと秘密保持契約を結び、仕事で知った情報を外に出さない体制を徹底しています。二十年以上、漏洩がないことを実績としています。
代表の石井裕一が、ヘルツォーク監督作『Family Romance, LLC』に自分自身として出演し、主演を務めました。カンヌ国際映画祭(第72回)の監督週間で上映された作品です。
代行の内容と依頼の方法は、ファミリーロマンスの公式サイトで案内されています。
ファミリーロマンスの登録スタッフの募集と条件は同社の公式サイトで案内されています。アカデミーの学びは執事を目指すもので、代行の仕事とは別の道です。
団体としての運営関係はありません。両者をつないでいるのは、協会の頭取であり同社の創業者兼代表取締役でもある石井裕一という一人の人物です。
最終更新: 2026年9月18日





